(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(3/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8


 くどいかもしませんが、いま見たところをもうちょっと詳しく確認しておきますね。


 男性患者さんには自信があったのではないかということでしたよね。ひとに内心悪く思われているのではないかと自分が気にしているはずはないといった自信が、って。だけど現実はその自信とは背反していた。実際、男性患者さんは、家族からの電話をきっかけに、ひとに内心悪く思われているのではないかと気にするようになっていた。


 そのように「自信現実とが背反するに至ったとき、みなさんならどうします? そういうとき、みなさんにとれる手は、つぎのふたつのうちのいずれかではないかと俺は考えます。

  • A.現実に合うよう、自信のほうを修正する。
  • B.自信に合うよう現実のほうを修正する


 で、男性患者さんがとったのはどちらの手でしたっけ? そう、後者でしたね。ひとに内心悪く思われているのではないかと自分が気にしているはずはないといった自信に合うよう、男性患者さんは現実をこう解釈したとのことでしたよね。ひとの声が悪口を言ってきて、僕を困らせるんだ、って。


 いま見ましたところを箇条書きにするとこうなります。

  • ①ひとに内心悪く思われているのではないかと気にする(現実)。
  • ②自分が、ひとに内心悪く思われているのではないかと気にしているはずはないといった自信がある(現実と背反している自信)。
  • ③その自信に合うよう、現実をこう解釈する。「声が悪口を言ってくる」(現実修正解釈)。


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