*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.2
以上、「機械がちゃんと動かない」場合をふたつに分けて考えてきました。どちらの場合でも、「機械がちゃんと動かない」のを異常と判定することはできませんでしたね。
したがって、「機械に異常ということはあり得ない」ということになりますね?
さあ、では、ここからもうひとつ先に進みましょう。
いまのとおなじ要領で「ひと」について考えると、どうなるか、みなさんちょっと想像してみてくれますか。
みなさん、どうなると思います?
「ひとに異常ということはあり得ない」という結論が出てくることになるのではないか、と思いません?
最後にまとめますね。
医学は、健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけてやってきましたよね。だけど今回、ちょうどいま見ましたように、「異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない」ということ、つまり、「言うなればひとはみな正常である」ということが明らかになりましたね。したがって最後に、つぎのふたつのことが言えるようになりましたよ。
- 医学が異常と判定して、病気と言ってきたひとたちは、ほんとうは、他のみんなとおなじく、正常と判定されてしかるべきだった。
- にもかかわらず医学はそのひとたちを異常と決めつけ、差別してきた(特に精神医学、ね?)。
*今回した確認を、もっと簡単な別のやり方でする回はこちら。
*今回の最初の記事(1/3)はこちら。
*前回の短編(短編NO.1)はこちら。
*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。