(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

そもそも正常とは何か、異常とは何か(2/2)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.1


 さあ
本題に入りましょう。医学が、健康や病気を定義づけるために、わざわざ、どこかからもち出してきた、その正常異常という言葉の意味をいまから確認していきましょう


 家電製品を例にもちいましょうか。みなさん、家電製品にたいし正常であるとか異常であるとか言っているときのこと、ちょっと想像してみてくれません?


 みなさん、家電製品を使っている最中だと仮定してみてくださいよ。


 まず、その家電製品を正常と判定している場面を思い描いてみてくれますか。どうですか。家電製品を正常と判定するというのは、その家電製品を、説明書どおりになっていると見、その「説明書どおりになっている」ことを問題無しとすることではありませんか。


 今度は反対に、家電製品を異常と判定している場面を思い描いてみてくれますか。どうですか。家電製品を異常と判定するというのは、その家電製品を、説明書どおりになっていないと見、その「説明書どおりになっていない」ことを問題視することではありませんか。


 いま、家電製品が「説明書どおりになっている、なっていない」と言いましたね。それは、家電製品が「製品の作り手の定めたとおりになっている、なっていない」と言い換えることができますね?


 なら、いま言ったことはこう言い改められません?


 家電製品を正常と判定するというのは、その家電製品を「作り手の定めたとおりになっている」と見、その「作り手の定めたとおりになっている」ことを問題無しとすることであるいっぽう、家電製品を異常と判定するというのは、その家電製品を「作り手の定めたとおりになってない」と見、その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視することである、って。


 であれば、医学がひとにたいし正常であるとか異常であるとかと言うのは、当然、こういうことであることになりますね?


 ひとを正常と判定するというのは、

  • ①そのひとを、「作り手の定めたとおりになっている」と見、
  • ②その「作り手の定めたとおりになっている」ことを問題無しとすること、


 かたや、ひとを異常と判定するというのは、

  • ①そのひとを、「作り手の定めたとおりになっていない」と見、
  • ②その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視すること


 である、って(医学が「ひとの作り手」を何と考えるのか、たとえば、ナチスが崇拝していた当時の医学のように「自然」と考えるのか、それとも現代医学のように「遺伝子」と考えるのかは、いまは不問に付しておきますよ)?


 今回は、正常、異常という言葉の意味を確認しました。みなさんはふだん、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで、苦しまないで居られているか、苦しんでいるか、を争点にする。しかし医学は、今回確認したような意味をもつ、正常、異常といった言葉をわざわざどこかから持ち出してきて、健康や病気を定義づけてきたんだ、ということでしたね。


ひとつまえの記事(1/2)はこちら。


正常、異常の意味を後日、今回のとは異なるもっと簡単な仕方(イメージなるものに着目する仕方)で考察するつもりにしています。

 後日ここにURLを貼りますね。


前回の短編(予告編)はこちら。


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