*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回
◆医学の出来事観と物質観にもとづくと(結論)
以上、医学のHPVワクチン観を、3つの段階にわけて見てきました。医学は医学の出来事観と物質観にもとづいてこう考えるってことでしたね。
HPVワクチンを接種すれば、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(段階①)。そのように、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治され(段階②)、HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③)んだ、って。
【箇条書きにすると】
- 段階①:HPVワクチンを接種すると、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される。
- 段階②:HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治される。
- 段階③:HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる。
それを図示するとこうなるとのことでしたね。
●HPVワクチン接種(A)
↓・・・段階①
●HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)
↓・・・段階②
●HPVが身体のなかから退治される(C)
↓・・・段階③
●子宮頸がんにならなくなる(D)
医学はこのように、医学の例の不適切な出来事観と物質観にもとづいて考えることによって、(A)から(B)、(B)から(C)へそれぞれ行かない可能性(都合の良いことが身体に起こってこない可能性)を見落とすんだってことでしたね。また、(A)(B)(C)それぞれから事が悪いほうに進む可能性(都合の悪い出来事が身体に結果として起こってくる可能性)も見落とすんだ、って。つまり、HPVワクチンを接種(A)しても、子宮頸がんにならなくなる(D)っていう都合の良いことが、起こってこないっていう可能性や、HPVワクチンを接種した(A)結果、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性を見落とすんだ、って。
で、いきなりHPVワクチンを夢のワクチンだと世間に大声で自信満々に安請け合いしたりするんだ、って。
HPVワクチンを例に、ここまで、医学の例の不適切な出来事観と物質観にもとづくと、どういうことになるか、大雑把に見てきました。そうした不適切な出来事観と物質観にもとづいて、薬剤や手術等を見ると、つぎのふたつの可能性を見落とすことになるといまや言えるんじゃないですか、ね?
- 結果として、都合の良いこと(薬剤や手術等に期待していること)が身体に起こってこないっていう可能性
- 結果として、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性
で、薬剤や手術等をいきなり、医学に都合良く見過ぎることになるんじゃないですか、ね?
そしていきなり、夢の新薬・施術爆誕! なんて軽々しく喧伝してしまうことになるんじゃないのかなあ。夢の新薬・施術であるかどうかは、実際にいろんなひとに試してみたあとじゃないとわからないというのに。
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