オロカモノのくせに口幅ったいことを申しましてマコトに申し訳ありません。軽い気持ちでお聞きください。
科学のドギモをぬかれるほど不思議なものの見方について書かせていただいております。
不肖俺が思いますに、科学は事のはじめに、存在同士のつながりを2種類切断します。この不適切なふたつの切断をそれぞれ、絵の存在否定、存在の客観化と名づけ、史上最初にこれらを正式にやりとげたのはデカルトではないかとの推測のもと、考察しています。
- 作者: ルネデカルト,Ren´e Descartes,山田弘明
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この不適切な切断の結果、科学は、世界、知覚体験(見る、聞く、匂う、味わう、触れる)、身体、身体感覚、存在、関係、出来事、行動、感情、快さ・苦しさ、健康・病気・治療目的、人間理解、などをことごとく実際とは別のものにすり替えることになりました。このすり替えをひとつずつ見ています(カテゴリをご覧ください)。
あ、それと、ひょんなことから進化論についても少し考察しています。そこでも、「理論に合うよう現実のほうを修正する」という科学の大胆な常套手段をまえに両目を大きくヒン剥いています。
全体の流れをおおざっぱにご説明します。
1.存在同士のつながりを切断する
先ほど申しましたように、科学は事のはじめに、存在同士のつながりを2種類切断します。これについては、「絵の存在否定」、「存在の客観化」と名づけ、「科学は存在同士のつながりを切断してから考える」と題した記事などで書いています。
2.知覚体験を情報伝達にすり替える
科学は「絵の存在否定」という不適切な操作を為し、見る、聞く、匂う、味わう、触れるといった知覚体験を情報伝達にすり替えます。
3.存在をすり替える
また科学は「絵の存在否定」もしくは「存在の客観化」を為した結果、存在を、実際とは別のものにすり替えることになりました。
4.関係をすり替える
科学は事のはじめに存在同士のつながり(関係)を切断し、存在を別様にすり替え、その別様にすり替えた存在同士のあいだを、因果関係というこの世には無い関係でつなぎ直します。
5.出来事を一点のせいにし、原因と呼ぶ
科学は、存在を別様にすり替え、別様にすり替えたその存在同士を、因果関係というこの世には無い関係でつなぎ直すそんな手法で、出来事を説明しようとします。そうした仕方ででも物理学や化学は工夫をこらして出来事を説明し、一定の成果をあげてきたように思われます。
ところが、身体に起こる出来事を説明する段になって科学は急に、物理学や化学をするときには決してしないことをするようになりました。
それは何か。
- 作者: シュレーディンガー,Erwin Schr¨odinger,岡小天,鎮目恭夫
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出来事を一点(一箇所と申したほうがいい?)のせいにすることです。
科学はこの一点を原因という名で呼びます。分子生物学は、身体に起こる出来事を遺伝子という一点のせいにし、脳科学は脳という一点のせいに、免疫学はウィルス・細菌という一点のせい、ガン医療はガンという一点のせいにそれぞれします。
しかし物理学や化学は身をもって、出来事を一点のせいにするそうした、ひとが陥りがちな見方が出来事を捉えるには不適切であることを示してきたのではなかったでしょうか。
原因の特定法を点検し、出来事を原因(一点)のせいにすることができないことを確認したりもしています。
番外.進化論
ひょんなことからリチャード・ドーキンスさんの『利己的な遺伝子』をとりあげ、進化論に認められる「利己至上主義」について書くことになりました。利益について考察しました。
- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
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進化論とは、「誰が生き残るか」と問うて、「他を押しのけるもの」と答える思想であるかと思われますけれども、ほんとうなら、「跡継ぎがつぎつぎと続いていくのは何か」と問うて、それに答えようとするものであるべきではないかという結論に至っています。
6.身体を機械にすり替える(身体機械論)
科学は、身体を機械と考えます(唯物論とか身体機械論と呼ばれているようにお見受けしています)。2016年から以下のことを確認しています。
・身体は機械ではないとみなさん実によくご存じである。
・にもかかわらず科学が身体を機械と考えるのは、事のはじめに「絵の存在否定」という不適切な操作を為した結果である。
7.科学に見られる差別と思いやりのなさ*1
このように身体を機械と考えるに至った科学が、機械に用いられる正常異常という区分けを、ほんとうは機械ではない身体に用いていく次第と是非を今年つぎに見ていきます。
*1:2018年7月21日に、この一文を、一文まえのこの場所に移動しました。