(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

身体は機械ではないと実にみなさんよくご存じである

*身体が機械じゃないのは明らかであるが第3回


 けれどもみなさん、科学が言うように、「身体の物的部分」で物質的出来事はほんとうに、「身体の感覚部分の関与無く起こるのでしょうか。


 むしろみなさんはどなたも、ふだんお歩きになったり、窓に手を延ばされたり、おしゃべりされたり、ゴルフクラブをお振りになったりするとき、まさにご自身の「身体の物的部分」で物質的出来事が「身体の感覚部分の関与のもと起こるのをまざまざとご体験なさるのではないでしょうか。


 みなさんが休日、お招きになったご友人のまえで料理の腕前をあざやかに披露されるとき、みなさんの指や前腕やは、みなさんの「身体の感覚部分」の関与のもと動くのではないでしょうか。その腕前にうっとりとお見とれになるご友人は、みなさんの指や前腕やのテキパキとした物的動きを、みなさんの身体の感覚部分の関与のもと起こるものとお捉えになってこそ、「あなた手際がいいね(手際がいいのね)」とおっしゃるのではないでしょうか。


 またみなさんがおおぜいのひとのまえで美声を朗々と披露されるとき、みなさんの声帯や腹筋やは、みなさんの「身体の感覚部分」の関与のもと動くのではないでしょうか。うっとりと耳をお傾けになるスナックの常連さんたちは、みなさんの声帯や腹筋やの物的動きを、みなさんの身体の感覚部分の関与もと起こるものとお捉えになってこそ、「なんてあのひとは歌がうまいんだろう」と呆れ果てたように舌をお巻きになるのではないでしょうか。


 ちがいますでしょうか。


 にもかかわらず、科学はなぜそうしたみなさんのふだんの暗黙の了解にそむいてまで、「身体の物的部分」での物質的出来事を「身体の感覚部分の関与無く起こるものとし、「身体の物的部分」を機械と見るのでしょうか。


 なぜだ、なぜなんでしょう。みなさんは不思議にお思いになりませんか。


 ぜひともこの謎を、みなさん、この文章で見ていこうではありませんか。が、そのまえに確認しておかなければならないことがあります。


 最初にこのchapterでつぎの2点につき確認します。

  1. たしかに「身体の物的部分」で物質的出来事が「身体の感覚部分の関与もと起こること(「身体の物的部分」は機械ではないこと)
  2. またそのことをみなさんがふだんから実によくご存じであること
つづく


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