(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

身体についてご確認申し上げます(後半)

*身体が機械じゃないのは明らかであるが第2回


 歩くという運動を科学がどう説明するか簡単に見ました。科学が病気を説明するときも事情はこれと同じで、「身体の物的部分」での物質的出来事を「身体の感覚部分の関与無く起こるとします。


 科学は身体のなかでどのようにガン細胞が増えていくか、そのメカニズムをみなさんに説いて聞かせます。が、そうした説明のなかにも「身体の感覚部分は少しも出てきません。苦しさを感じているときのほうが身体のなかでガンが増えやすいなどということはあってもまったく不思議ではないと俺なんか勝手に思い続けておりますけれども、科学は「身体の感覚部分」を無視し、苦しさを感じようが快さを感じようが、ガンの増殖する速度は一定であるといった前提にのっとってガン治療なるものをしてきました。

 感染症なるものについても科学は、「身体の感覚部分の関与無しに「身体の物的部分」で起こる物質的出来事として説明します。


 インフルエンザは、インフルエンザ・ウィルスが「身体の物的部分」に生じさせる物質的出来事であって、身に覚える寒さや疲労感といった苦しみの関与すら無く起こると科学はします。激動の時代にヨーロッパを席巻した黒死病についてさえ、ペスト菌だけがひとびとの「身体の物的部分」に引き起こした物質的出来事であると説明しますし、現在ではエイズなる病気もまた、HIVウィルスだけによって「身体の物的部分」に引き起こされる物質的出来事と説かれます。その説明のどこにも「身体の感覚部分」は出てきません。未来に希望が見えなかったり生きがいが覚えられなかったり腹を空かせていたり身体に力が入らなかったりするときの苦しい感じすら説明に反映されません。


 最近、睡眠が足りていないと免疫機能が低下して感染症を発症する確率が高まるとか、ストレッサーが心臓血管系の病気の罹患率を高めるとかと科学が言うのをしばしば聞きます。また音楽を聴くと心臓の検査数値が良くなるとか、笑うと血糖値の上昇を抑えられるとかとおっしゃる科学者もいらっしゃるようです。ところがそうして睡眠不足や免疫機構やストレスや笑いをあげるときですら、科学は「身体の感覚部分にまったく言及しません。「身体の物的部分」について語るのみです。現代科学にとって、睡眠不足も免疫もストレスも笑いも単に「身体の物的部分」での物質的出来事であって、しかも「身体の感覚部分」の関与無く起こるものにすぎません。


 現代科学はこのように「身体の物的部分」を単なる機械としか見なしません

つづく


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