ひとを正常なものと異常なものとに分ける差別
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第11回 正常異常の区別は実は機械に対してつけられず、当然ひとに対してもつけられないという結論に行きついたいま、ここまでを簡単にふり返らせてください。 この文章は僭越ながら、障害という言葉について、障…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第10回 機械がちゃんと動かない(作り手の望みどおりには動かない)ふたつの場面をみなさんにご確認いただきました。ひとつは、機械がちゃんと動かないことの非が作り手にある場面、もうひとつは、機械がちゃんと…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第9回 正常異常の区別が実は機械に対してすらつけられないことを確認しようとしています。 機械がちゃんと動かない(作り手の望みどおりには動かない)場面をふたつみなさんにご想像いただくことにし、早速ひと…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第8回 正常異常の区別は機械に対してはつけられても、ひとに対してはつけられず、にもかかわらずひとを正常と異常に振り分ければ、不当な差別をしていることになる、という結論にたどり着きました。 しかし反論…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第7回 ひとに作り手は存在しないと考えようが、自然をひとの作り手と想定しようが、結論は同じでした。正常異常の区別は機械に対してはつけられても、ひとに対してはつけられません。ひとを正常と異常に振り分け…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第6回 正常異常の区別は、ひとという作り手がいる機械に対してはつけられても、作り手の存在しないひとに対してはつけられず、ひとを正常と異常に振り分ければ、不当な差別をしていることになると確認しました。…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第5回 機械に正常異常を言うとは、機械が《作り手の定めたとおりになっていない》のを問題とし、機械が〈作り手の定めたとおりになっている〉のを正常、機械が《作り手の定めたとおりになっていない》のを異常と…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第4回 正常であるとは問題が無いこと、かたや異常があるとは問題が有ることを言うのだろうとはすぐに察しがつきますが、では、それはいったいどういった問題が無いとか有るとか言うことなのでしょうか。機械につ…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第3回 みなさんが障害という言葉にお覚えになる違和感の正体は、ひとを正常なもの(健常者・健康なひと)と異常があるもの(障害者)とに分けることが不当な差別に当たるという事情にあるのではないかと申しまし…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第2回 何も存じ上げないただのど素人のくせに、心苦しさをこらえつつとはいえ、僭越ながら俺はこう申し上げました。障害という言葉が、障害者をさして「害」と言っているとはちょっと思われない。障害という言葉…
*障害という言葉のどこに差別があるか考える第1回 最近、障害という字が、障がいとか障碍と表記されているのをしばしば見かけます。障害という言葉が障害者をさして「害」と言っているとの批判を受けてのことだと聞きました。 ほんとうでしょうか。寡聞な…
「ワトスソ、肝臓が故障しているとか、脳が壊れているといった言いかたをキミは最近よくするね。もはや身体の検査は、身体が故障していないか調べることだし、躁鬱病や早発性痴呆は脳の故障であると言わんばかりだ。さしずめ方向がわからなくなってボクが徘…
「肝臓、故障してるとか、脳、壊れてるとか言うの、ちょうウケるんですけど」 なんでよ〜? 身体の検査って、身体が故障してないかしらべることでしょ? 昨日*チャンでウツ病とかニンチ症は脳の故障だって言ってたし。「ネット?」いや、テレビのほう。方向…
肝臓が故障しているとか、脳が壊れているといった言いかたがよくされる。 もはや身体の検査は車を検査するのと同じく、故障の有無を調べることであって、「病気とは故障、治療とは修理」といったところだろうか。 なんともすばらしくわかりやすいものの見方…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第22回 このchapterでは、機械に用いられる正常異常という振り分けかたを、科学が身体に用いることの非について見てきました。 最後に、確認してきたことを箇条書きで簡単にふり返ってから、このchapterを閉じることにしま…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第14回 身体を機械と考える科学には、快さと苦しさが何であるのかがよくわからないということを確認しました。 快さや苦しさが何であるのかがよくわからなければ、治療を受けるとしばしばこうむることになる副作用とか毒性…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第13回 機械にしか用いることのできない正常異常という区分けを、ほんとうは機械ではない身体に用いる科学には、快さや苦しさが何を意味するのかがわからないと申しました。いまからこのことを簡単に見ていきます。 「身体…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第11回 機械にしか用いることのできない正常異常という振り分けかたを、機械ではない身体に用いるというのは、「世界によって定められたありようを身体が呈していないこと」を問題にすることでした。世界によって身体はみん…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第10回 科学は、機械にしか用いることのできない正常異常という振り分けかたを、機械ではない身体に用います。それは、「設計製造者(世界)によって定められたありようを身体が呈していないこと」を問題にすることでした。…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第9回 科学は、機械に用いられる正常異常という区分けを、機械ではない身体に用い、その正常を健康とか健常と呼ぶいっぽうで、異常を病気と呼び、治療とは異常状態から正常状態になることを目的とするものとします。これは…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第8回 科学は事のはじめに「絵の存在否定」という不適切な操作を為して、身体を機械と考え、機械に用いられる正常異常という区分けを、ほんとうは機械ではない身体に用います。そうして身体を、その設計製造者である世界に…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第7回 機械にしか用いることのできない正常異常という区分けを、機械ではない気候に用いることはできません。にもかかわらず俺は、近年の夏の気候などを指してつい異常気象と言ってしまいます。そうして思わず、気候を正常…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第6回 このchapterの最初で確認しましたとおり、機械にしか用いることのできない正常異常という区分けを、機械ではない「身体の物的部分」に用いることは不可能です。にもかかわらず、「身体の物的部分」を機械とする科学…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第5回 いま、機械にしか用いることのできない正常異常という区分けを、機械ではない「身体の物的部分」に用いるというのは、不当な差別をすることであると確認しました。世界によって定められたありようを呈しているものし…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第4回 科学は事のはじめに「絵の存在否定」という不適切な操作を為して、「身体の物的部分」を機械であることにし、その「身体の物的部分」に、機械に用いられる正常異常という区分けを用います。 しかしchapter1,2をとお…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第3回 掃除機を例に、機械を正常異常に区分けするとはどうすることか確認しました。それは、当の機械が、設計製造者の設計製造行為によって定められたありようを呈していれば、問題無しと見て、正常と呼び、かたや設計製造…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第2回 機械に用いられる正常異常という区分けを、ほんとうは機械ではない「身体の物的部分」に用いることが可能なのかどうか明らかにするために、まず、機械に正常異常という区分けを用いるというのが何をすることなのか確…
*身体をキカイ扱いする者の正体は第1回*1 最初にchapter1*2で、つぎのふたつを確認しました。 身体は機械ではないこと。 そのことをみなさん実によくご存じであること。 そしてchapter2*3では、にもかかわらず科学が身体を機械と考えるのはなぜか確認しま…
やあ、ホースム、まいったよ、外はひどい寒さだ。どうした、何か考えごとか? 「ワトソソ、これを読んで見たまえ」 ああ、「病は気から」か。よくある記事だ。昔から、思い出したようにときどき、誰かがこんなことを書くんだ。で、これがどうしたんだ? 「思…
*2017差別の核心を追っかける第2回 けれども、ひとが「みんな一緒になる」よう定められていると考えるだけの根拠はこの世にはどこにもない。 現に、ひとは「みんな一緒になる」よう定められているとする勝手な思い込みをみなさんはお持ちではない。そんな…