(新)Nothing happens to me.

科学はボタンをかけ違えたまま来たのではないでしょうか。

ポール・オースター

ポール・オースター『ガラスの街(シティ・オヴ・グラス)』(ネタバレに少しだけ注意)

ニューヨークは言わずと知れた、世界の中心である。 その街角を行きかうひとびとはどういう気分でいるのだろう。彼らは世界中からその都市によせられている、いくたの熱い視線に気づいているのだろうか。その熱い無数の視線のさきにいる自分自身をどう見てい…

ポール・オースター『幽霊たち』(ネタバレ注意)

ポール・オースターはニューヨーク三部作をきっかけに、一躍、作家として注目をあびることになった。この小説はその三部作の第二作目にあたる。実在の人物(オースター本人)以外は、色の名前をつけられて登場する、そんな中編小説である。 第一作目の『ガラ…

ポール・オースター『孤独の発明』

『孤独の発明』はポール・オースターの、初めて出版された小説であるらしい。1982年初版ということは、彼が35歳くらいの時の出版である。 小説冒頭、彼の父親が亡くなったことから話ははじまる。「父の死を知らされたのは三週間前のことだった」(同書、柴田…