(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「たいしたことのある」副作用を「たいしたことがない」と侮る医学の見方 (4/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.45 ◆医学の、一点をとり除けさえすれば至上主義 けど科学は、身体のなかのこととなると、先祖返りして、出来事を一点のせいにします。いや、それともこう表現したほうがヨリ適切でしょうか。医学という分野…

「たいしたことのある」副作用を「たいしたことがない」と侮る医学の見方 (3/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.45 ◆身体に起こる出来事についての医学の独自解釈 で、そんな医学は、身体に起こる出来事を、それを正常と見るにせよ、異常と見るにせよ、身体のなかの一点のせいにしてきました。 たとえば、みなさんが歩い…

「たいしたことのある」副作用を「たいしたことがない」と侮る医学の見方 (2/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.45 ◆医学による、健康、病気の独自な定義 そもそも(精神)医学は、健康、病気をみなさんとはまったく別様に考えます。 ふだんみなさんは、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで、「苦しくないか(快…

「たいしたことのある」副作用を「たいしたことがない」と侮る医学の見方 (1/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.45 目次・医学による、健康、病気の独自な定義・身体に起こる出来事についての医学の独自解釈・医学の、一点をとり除けさえすれば至上主義 いま、統合失調症と診断されたひとたちに使用される薬の副作用につ…

みなさんのふだんの見方を用いて、副作用がほんとうに「たいしたことがない」のか、検証する(4/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.44 ◆薬を飲むことによって、「かえって苦しさが酷くなった」のだとしたら では、もしほんとうに薬を服用することによって「かえって苦しさが酷くなった」のだとしたら、その場合はどうなります? ふだん、や…

みなさんのふだんの見方を用いて、副作用がほんとうに「たいしたことがない」のか、検証する(3/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.44 ◆薬を飲むことによって、苦しさは「かえって酷くなった」のか、それとも「マシになった」のか いま登場してくれている女性は当初、他人にブスと思われているのではないかと気になって気になって仕方がな…

みなさんのふだんの見方を用いて、副作用がほんとうに「たいしたことがない」のか、検証する(2/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.44 ◆薬を飲むことによって、当初の「苦しさ」を別の「苦しさ(副作用)」と交換する まず、こう想像してみましょうか。 ある女性が精神科にやってきて、「ブス、ブスという声が聞こえてきて、うるさくて堪ら…

みなさんのふだんの見方を用いて、副作用がほんとうに「たいしたことがない」のか、検証する(1/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.44 目次・薬を飲むことによって、当初の「苦しさ」を別の「苦しさ(副作用)」と交換する・薬を飲むことによって、苦しさは「かえって酷くなった」のか、それとも「マシになった」のか・薬を飲むことによっ…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(5/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 ◆みなさんは苦しさを比較したあと、生存期間の延長・短縮を考え合わせる ここまで、治療を受け、「かえって苦しさが酷くなる」場合Aと、「苦しさがマシになる」場合Bのふたつを、それぞれ点検してきま…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(4/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 ◆B.治療を受け、苦しさがマシになる場合 今度はその反対を考えますね。治療を受け、「苦しさがマシになる」場合(先の選択肢のB)です。 いまさっきもクドクドと再確認しましたように、みなさんにとっ…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(3/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 ◆A.治療を受けてかえって苦しさが酷くなる場合 Aから行きますね。治療を受けて、「かえって苦しさが酷くなった」場合です。 先ほど、みなさんがふだん、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで争…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(2/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 ◆そもそもみなさんは何を、健康、病気と見るか いきなりですが、ふだんのみなさんにとって、健康、病気という言葉がそれぞれ何を意味するか、最初に考えてみてくれますか。 健康とは、「健やかに康らかに…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(1/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 目次・そもそもみなさんは何を、健康、病気と見るか・A.治療を受けてかえって苦しさが酷くなる場合・B.治療を受け、苦しさがマシになる場合・みなさんは苦しさを比較したあと、生存期間の延長・短縮…

ひょっとすると(精神)医学が勝手に副作用を「たいしたことがない」と侮ってきただけかもしれないという暗い予感(2/2)【医学は副作用を侮ってきた? part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.42 では、つぎの文章を読ませてもらうところから始めますね。俺が手元にもっている岡田尊司精神科医著『統合失調症』(PHP新書、2010年)のなかにある一節です。 第二章で、幻覚妄想に効果がある薬として登…

ひょっとすると(精神)医学が勝手に副作用を「たいしたことがない」と侮ってきただけかもしれないという暗い予感(1/2)【医学は副作用を侮ってきた? part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.42 医学はいッつも、治療(治療薬や手術等)の副作用はたいしたことがないと言いますよね。 でも、みなさん、ほんとうにそうだと思います? たしかに、これといった副作用をこうむらない患者さんもたくさん…