(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(8/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 ◆part.2の締めの言葉 以上、今回はつぎの2点を確認しました。一つは、Nさんが、勉強しないといけない身であるにもかかわらず、勉強を重荷に感じるようになってきているということ。もう一つは、Nさん…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(7/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 いま、こう推測しましたよ。今後のためにも振り返っておきますね。 Nさんは、目のまえに問題集を開けながらも、つい女性のことを考えてしまっていた(現実)。ところがそのNさんには、自分が女性のこ…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(6/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 ◆自分のことがうまく理解できないもう一つの例 さっきの引用第1部には、Nさんが自分自身のことをうまく理解できなくなっているもうひとつの事例が記してありましたよね。こう書いてありましたね? 同…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(5/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 さて、いま、こう推測しました。Nさんは、自分が他人を疑りすぎていることに気づいていなかったのではないか、って。 要するに、自分のことがうまく理解できていなかったのではないか、ということです…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(4/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 いまこう推測しましたよ。 ①Nさんは、ワイシャツの落書き等を、同級生たちからの嫌がらせではないかと疑った。 ②そんなNさんには、自分が「思い違いをしている」はずはないという自信があった。 なら、…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(3/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 ◆自分のことがうまく理解できなくなってきた まずこう書いてありましたね。 小学校時代は、大過なく過ごした。本人の話では、目が大きかったので、「デメ」とか「デメキン」と呼ばれていじめられたこと…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(2/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 ◆中3の2学期頃から勉強を重荷に感じるようになってきた では最初に、先に挙げた2点のうちの前者、「Nさんは、勉強しないといけない身であるにもかかわらず、中学3年生頃から勉強を重荷に感じるように…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(1/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 目次・中3の2学期頃から勉強を重荷に感じるようになってきた・自分のことがうまく理解できなくなってきた・自分のことがうまく理解できないもう一つの例・part.2の締めの言葉 前回、「思春期に発症し典…

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解する(2/2)【統合失調症理解#16-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 まずは引用第1部から。 十九歳のNさん〔引用者注:同書ではお名前が出ていますが、ここでは以下、伏せさせてもらいます〕は、精神科の外来を受診した当日に入院となった。幻聴のせいで苦しくなり、ビ…

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解する(1/2)【統合失調症理解#16-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 この世に異常なひとなどただの一人も存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 ----- そのときの記事をいちおう挙げておきますね。 (注)もっと簡単にそのことを証明する回はこちら。 …

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(6/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 とはいうものの、結局はこの型も、さっき見た「現実修正解釈」型であると言ってしまったほうが、もしかすると、いいのかもしれないと考えないでもありません。 だって、箇条書きにするとこう言い直せま…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(5/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 でも、「ゴキちゃんが出た!」と叫びながら、とっさに飛びあがって驚いている最中、みなさんは同時にこんなふうにも頭を働かせはしませんか。 いま、視野の隅を黒いものが横切ったように見えた。たしか…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(4/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 ◆「勝手にひとつに決めつける」型 ではもうひとつの形のほうに話を移しましょう。そのふたつ目については冒頭で、「勝手にひとつに決めつける」型と名づけました。いまから、それを、以前にもちいた事…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(3/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 いまの推測を箇条書きにしてみとめてみます。 ①朝、オレンジジュースを飲んでいるとき、窓から身を投げようという衝動に駆られる(現実)。 ②自分が窓から身を投げようと意思しているはずはないという…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(2/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 ◆「現実修正解釈」型 まずは、前者の「現実修正解釈」型から見てみますよ。短編NO.12*1でとり挙げた「幻聴」と呼ばれる事例を再引用します。 ジャズ・トランペッターで作曲家のB〔引用者注:ここでも…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(1/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 目次・"統合失調症"の症例がふたつに分かれる・「現実修正解釈」型・「勝手にひとつに決めつける」型 ◆"統合失調症"の症例がふたつに分かれる 昨年2020年の2月頃からずっと、統合失調症と診断されたひ…