(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(7/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 いまさっき、こう言いましたよね。小林さんは何かの拍子に、ふだんよく耳にするフィル・コリンズの曲を頭のなかでつい再生してしまったのかもしれませんね、って。 でも、小林さんからすると、自分がそ…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(6/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆フィル・コリンズも交信に加わってくる さらに小林さんは、こうも書いています。 フィル・コリンズが自分も交信できることを主張し、僕の心臓の鼓動を支えるようにドラムを叩いてくれた。色んな人に守…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(5/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆同時に自分の閃きを疑う でも、いま例に出しました間違い電話の場合、いつも慎重なみなさんなら、どうします? 「また、おなじひとからかも」と閃いたそのとき、同時に、その閃きを疑ってもみませんか…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(4/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆とんねるず木梨憲武とテレパシーで交信する 小林さんはさらにこうも書いています。 突然とんねるずの木梨憲武が交信してきた。 「木梨?」 と聞くと、彼は、 「あしたのジョー」 と答えた。これはとん…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(3/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 いまの推測をふり返ってみますね。 小林さんが布団のなかで、いろんなひとや団体のことを思い浮かべながら、「協力してほしい」と、ちからを込めて強く願っていたところ、手足が震えたり、背中がぞくぞ…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(2/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆テレパシーでの交信の仕方 どんな内容だったか残念ながら忘れてしまったが、テレパシーで会話できるのはミックだけではなく、あらゆる人間と交信できることがわかった。交信を司る器官は頭の中だけで…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(1/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で8回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(6/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 ◆正体を確かめに行ってはいけない さらに小林さんは続けて、こうも言っていましたね。その足音について、「起きてドアを開けて一階に行けば確かめられるが、なぜかそれをしてはいけないという自制心が…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(5/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 でも、それと同時に、そうした自分の閃きや発想が、疑わしく思えてきても何らおかしくはなかったのではないでしょうか。要するに、その足音は実は、珍しく階上にやって来ていた妹のものだったのかもし…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(4/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 ◆誰かがあわててドア向こうの階段を駆け降りていく さらに先に進みますよ。このあと、小林さんはお風呂に入り、テレビを見ます。そのときのことを小林さんはこう書いています。 「翌日は六時起きなので…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(3/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 ◆宮崎キャスター「一人が発狂しました」 さらに、テレビでは「宮崎緑キャスターが、『アミノ酸製剤を四人に投与したところ、一人が発狂しました』という意味不明のニュースを報じた」と小林さんは言っ…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(2/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 ◆同時に他の可能性にも思いをはせる だけど、どうですか。いま引き合いに出した、ちょっとした物音にもビクっと反応し、「殺し屋が来た!」と身構えたガンマンは、急いでホルダーから拳銃をとり出した…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で7回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(5/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆ここまでを簡単に振り返る 先の引用の直後をさらに見ていきますよ。とうとう小林さんは、悪意あるその「何者か」にどん詰まりまで追い詰められてしまいます。 僕は心底疲れ、往来の真ん中で大声で叫ん…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(4/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆そば屋のおかもちから割り箸をとり出した時 どんどん先に進みます。さっきの引用の直後を見ますね。小林さんはその悪意ある「何者か」にジリジリと追い詰められていきます。 ところがその路地は工事中…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(3/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ところで、まえのほうで俺、こう言っておきましたよね。小林さんは前日、時の内閣が自分のことを守ろうとしてくれていると本気で思い込んだ結果、時の内閣から監視されていると感じ考えることになった…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(2/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆ふたつ目の案 もしくは、こういうことだったかもしれませんね。 小林さんは、「世界は僕のためにある」ということの恐ろしい真の意味をついに理解したと思ったとき、ふとある場面を想像した。それは、…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で6回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(6/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 大学構内を出て、グラウンド坂を少し下がり、学生時代よく行っていた「キャプテン」という喫茶店をのぞいてみようと思ったが、シャッターが閉まっていた。(略) 考え事をしながらフラフラ歩いていくと…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(5/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 ◆「世界は僕のためにある」への違和感 では、つぎに、この「世界は僕のためにある」というのが違和感を与える、ということの意味について考えてみましょうか。 この日、早稲田大学に向かいはじめてから…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(4/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 ◆「世界は僕のためにある」という誤った手応え ところで、いま小林さんは「世界は僕のためにある」とか、「それがこんなにも違和感を与えるものだとは思っていなかった」とかと言っていましたよね。再…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(3/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 ◆ずっと抱いていた疑問が解けたとき 先の引用の直後をさらに見ていきますよ。先のほうで予告しておきましたように*1、小林さんが、立てつづけに可愛い女性に出会ったことをはじめとした、いろんなこと…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(2/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 ◆クズかごの中身に不自然さを感じる さあ、どんどん先に進みましょう。さっきの引用の直後を見ますよ。 その後、演劇博物館へ行き、大隈庭園へ行った。(略) グラウンド坂の方へ行こうと、再び大学構…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で5回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…