(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(5/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 ◆ここまでを簡単に振り返る さあ、この要領で引用のつづきをどんどん見ていきますよ。 いや、それとも、そのまえにこの辺りで一度、ここまでをすこしふり返っておきましょうか。 みなさん、ここまで、…

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(4/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 ◆目に涙をいっぱいためてこちらを見ている女性 さて、つぎの場面に進むまえに、ここで、その3人組のなかの女子学生にちょっと話を戻してみましょうか。小林さんが3人に喋りかけているあいだ、「女の…

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(3/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 でも、なぜこの場面でいきなり、「田中角栄と竹下登の分身」といった発想が小林さんのもとに浮かんできたのでしょう? みなさん、ここでちょっと思い出してみてくれませんか。その前日、小林さんは、同…

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(2/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 ◆大学生3人組と会話する 立てつづけに可愛い女性に出会ったことや、やけに車が接近してきたことに「不自然さ」を覚えつつ、光が丘公園にやって来た小林さんは、そこで用を済ませたあと、その日の最終…

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で4回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「駅舎に書かれていた駅名から、或る暗号を受けとった」を理解する(3/3)【統合失調症理解#14-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.23 いまこう推測しました。 小林さんは、「なります」と書かれた駅名標示から、「ボクが何かになります」という駄洒落を考えついた(現実)。ところがその小林さんには、自分がそんな駄洒落を考えついたは…

統合失調症の「駅舎に書かれていた駅名から、或る暗号を受けとった」を理解する(2/3)【統合失調症理解#14-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.23 ◆成増駅の駅名標示から意味・暗号を受けとる まず光が丘公園に向かうべく、埼京線に乗って池袋で降り、東武東上線に乗り換えて成増に向かった。(略) 成増で降り、どっちが光が丘公園なのかわからぬま…

統合失調症の「駅舎に書かれていた駅名から、或る暗号を受けとった」を理解する(1/3)【統合失調症理解#14-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.23 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で3回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「新聞記事を読み、国が僕を守ろうとしてくれていると確信した」を理解する(4/4)【統合失調症理解#14-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.22 ◆ふり返り いまこう推測しました。いつもながら、くどいでしょうけど、ふり返ってみますね。 アニメーションによる体制変革を志していた小林さんはつねづね権力者の庇護を求めていたということでしたね…

統合失調症の「新聞記事を読み、国が僕を守ろうとしてくれていると確信した」を理解する(3/4)【統合失調症理解#14-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.22 ◆同時に自分の解釈を疑っている さて、いま、こう言いました。気持ちが高揚していた小林さんは早合点して、現実(記事内容)をつい自分に都合良く解釈してしまったのではないか、って。 そんなふうに、…

統合失調症の「新聞記事を読み、国が僕を守ろうとしてくれていると確信した」を理解する(2/4)【統合失調症理解#14-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.22 ◆現実を自分に都合良く解釈する 先の引用文の最終段落で小林さん(アニメーション制作会社勤務)はこう言っていましたよね。当時、「アニメーションを手段にして体制を変えようとしていた」って。「し…

統合失調症の「新聞記事を読み、国が僕を守ろうとしてくれていると確信した」を理解する(1/4)【統合失調症理解#14-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.22 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本を、前回から、とり挙げさせてもらっています。 これから、小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(5/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 ◆現実を自分に都合良く解釈する 以上ここまで、下準備としてふたつの出来事を見てきました。そのどちらについても俺、こう指摘しましたよね。小林さんは「現実を自分に都合良く解釈していた」のではな…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(4/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 ◆野坂、衆院選で新潟3区から出馬する(出来事2) さて、今度は、もういっぽうの出来事を見ていきます。野坂昭如が衆院選で新潟3区から田中角栄の対立候補として出馬したということでしたよね。 小林…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(3/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 いま、こう推測しました。 野坂がとんねるず石橋を殴打した(現実)。ところが、小林さんには、野坂がとんねるずに不利益を与えようとしているはずはないという「自信」があった。そのように「現実」と…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(2/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 ただしそのまえに、簡単な下準備をしておきましょうか。小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日のすこしまえの時期のことを、今回はちょっと見ておくことにしますよ。 その時期のことを小林…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 目次・発症数ヶ月前から始まった「メッセージを受けとる」・野坂昭如、とんねるず石橋貴明を殴る(出来事1)・野坂、衆院選で新潟3区から出馬する(出来事2)・現実を自分に都合良く解釈する ◆発症…