2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 ◆締めの言葉 さて、今回は、ハウス加賀谷さんの、いわゆる幻覚体験を見てきました。(精神)医学はこうした体験をこれまで、「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎」だ、「了解不能」だと…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 ◆牛の怪物に襲われる幻覚 以上、ここまで、(精神)医学が幻覚と呼ぶハウス加賀谷さんの体験を、幽霊論として見てきました。けど、せっかくですし、お別れするまえに、これとよく似た、もうひとつ別の事…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 ◆まとめ いまこう推測しました。くどいかもしれませんが、振り返ってみます。 何かきっかけがあったのか、それとも薬の副作用だったのか、ハウス加賀谷さんはいまにも殺し屋に殺されると怯えるようになっ…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 ◆錯覚しているはずはないという自信 だけど、ハウス加賀谷さんからすると、自分がその場面で、錯覚したりするはずはなかったのかもしれませんね。いや、いっそ、ハウス加賀谷さんのその見立てを、少々語…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 ◆錯覚する 黒い服と黒いゴーグルをつけた男に、ライフルで命を狙われている幻覚を見たとのことでしたね。 何かきっかけがあって、ハウス加賀谷さんは、いまにも殺し屋に殺されると怯えるようになっていた…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.20 目次・殺し屋に狙われているという幻覚・錯覚する・錯覚しているはずはないという自信・まとめ・牛の怪物に襲われる幻覚・締めの言葉 ◆殺し屋に狙われているという幻覚 以前論理的に証明しましたように、…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 以上、今回は、ハウス加賀谷さんの、いわゆる幻聴体験を見てきました。(精神)医学はこうした体験をこれまで、「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎」だ、「了解不能」だ、と決めつけて…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 いまこう言いましたよ。 実のところ、「現実」は加賀谷少年の「予想」どおりにはなっていなかった。だけど、そのとき加賀谷少年は、その「予想」を、「現実」に合うよう、訂正するのではなく、反対に「現…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 さっきの引用文の中身、ようく思い出してみてくださいよ。 中学2年生の夏、授業中に先生が、加賀谷少年のうしろに座っている女子生徒を注意したのが事のはじまりでしたよね。即座に加賀谷少年はうしろを…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 いまの推測をざっと頭から簡単にふり返ってみますよ。 真うしろに座っている女子生徒が下じきでその仏頂面を扇いでいるのを見て、ボクが臭いんだと思い込んだ加賀谷少年は以後いろんな場面で、心配に襲わ…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 中学2年生の夏、授業中に先生が、加賀谷少年のうしろに座っている女子生徒を注意したとのことでしたよね。加賀谷少年は即座にうしろをふり返った。すると、その女子生徒が下じきで仏頂面を扇いでいるの…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 ◆「カガヤ臭い」という声が聞こえてくる(幻聴) まず幻聴体験のほうから行きましょうか。ハウス加賀谷さんがはじめて幻聴を聞いたとされるときの記述を見ますね。ちょっと引用が長くなりますけど、じっ…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.19 目次・「幻聴」と「幻覚」を2回に分けて考察する・「カガヤ臭い」という声が聞こえてくる(幻聴)・「現実」を「予想」のほうに合わせる ◆「幻聴」と「幻覚」を2回に分けて考察する この世に異常なひと…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 さあ、いま、ふたり目の女性について、俺、こう推測しましたよね。その女性は、自分が錯覚していることに気づいていなかったのではないか、って。 では、この女性がもし反対に、自分が錯覚していることに…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 ところが、ほんとうにミュージシャンが自分だけに向けて、意味深な言葉や熱い視線を送ってきているのだと、そんなふうに解すると、この女性には、あることが腑に落ちなくなるわけです。ミュージシャンは…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 ◆「ミュージシャンが愛のメッセージを送ってくる」 さて、現に「感じている」ところが錯覚である可能性がときにあるということをいま、3例を挙げて確認しました。下準備、完了しました。遅ればせながら…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 ◆感じているところが錯覚である可能性 ではここで、ふたり目の女性にも登場してもらいますよ。その女性も、先の女性とおなじく、統合失調症と診断され、「理解不可能」と決めつけられてきました。 ある若…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 いま俺、こう推測しましたよ。この女性は、世界的スーパースターのことが気になって気になって仕方がなかった(現実)。ところがその女性には、自分がその世界的スーパースターのことを気にしているはず…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 ◆「世界的なスーパースターに愛されている」 まずはひとり目の女性から。 ある入院中の若い女性は、世界的なスーパースターに愛されているという妄想を抱き続けていた。きっと彼が病院に迎えにきてくれる…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.18 目次・(精神)医学が世間の偏見を正せるはずはない・「世界的なスーパースターに愛されている」・感じているところが錯覚である可能性・「ミュージシャンが愛のメッセージを送ってくる」 ◆(精神)医学…