(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

終わりにさしかかってきたよ

*進化論はこの世をたった1色でぬりつぶすんだね第20回 ここまで、ドーキンスの進化論的世界観を、利益と不利益がどのように見られているかという点に着目して見てきました。 生物個体には、「利益の与えあい」も利他的行為も無く、ただ利己的行為のみが存…

身体感覚を身体のなかに含めない

*科学は存在同士のつながりを切断してから考える第1回 科学の特徴は、存在同士をたがいに切り離してから考えるところにある。事のはじめに科学は存在同士のあいだの二種類のつながりを切断する。で、そのあとに、新たに考案したつながりで存在同士をつなぎ…

生存競争というのはイス取りゲームだね

*進化論はこの世をたった1色でぬりつぶすんだね第19回 じっさいドーキンス進化論の礎であるダーウィンは、マルサスの『人口論』を読んでいて進化論に思いいたったと言っています。 第3章で論じるのは、この世のすべての生物が、指数関数的な高い増加率を…

誰にも迷惑をかけないで利益を得ることはできないかな

*進化論はこの世をたった1色でぬりつぶすんだね第18回 また、これとは別のご指摘もあるかもしれません。 たとえば、俺たちの挙げた、利己的行為、利他的行為、「利益の与えあい」という三つのほかにも、利益の得かたには、単独で利益を得るとかいろいろあ…

進化論にも裏の顔があるんじゃないかな

*進化論はこの世をたった1色でぬりつぶすんだね第17回 しかし、ドーキンスのこの論理展開には、すくなくとも二箇所、明らかに無理がありました。理論と現実とが背反したときに、現実にあうよう理論を修正すべきところで、反対に、現実を理論にあうよう修正…

ドーキンス進化論をまとめるよ

*進化論はこの世をたった1色でぬりつぶすんだね第16回 さて、俺たちは、利益と不利益をコインの表裏のようにつねに表裏一体とする進化論の見方をあらため、いまやこの世界には利己的行為や利他的行為のほか、「利益の与えあい」もまた存在しているとみとめ…