(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

物理学なりの状況把握

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第2回 ここのところずっと繰り返し書いているように、科学は生きものを扱う段になると、物理学では決してしないことをしはじめる。つまり、出来事を一箇所のせいにするようになる。ふたつの疑念について考察するにあ…

ガン医療に対するふたつの疑念

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第1回 みなさんご存じのように、近藤誠さんというお医者さんがおいでである。1990年代中頃から、ガン治療にかんし警鐘を鳴らしつづけていらっしゃる放射線治療医である。その彼は、オロカモノの俺が意訳するところに…

ガンを生じさせる原因はあるのか

事故が起きるとします。するとテレビがさっそくその事故について報じます。そして番組内では、道行くひとがレポーターに感想を聞かれちゃったりなんかして、こんな言葉を返します。 「はやく事故の原因を解明してほしいです」 スタジオにカメラが切りかわっ…

科学の出来事観と物質観の変遷③

で、現に、いままでいろんな出来事の原因が特定されてきたことになっているが、それらは、「同じ出来事をどんな場合でも引き起こす一箇所」と言っておかしくないくらい、それが在るといつも同じ出来事が起こってくるものなのだろうか。 医学はガン細胞を、「…

科学の出来事観と物質観の変遷②

さてこれでまず、原因とは何か、が明らかになった。 肺にがん細胞ができるという出来事の原因とは、肺にガン細胞ができるという出来事を、どんな場合でも引き起こす一箇所のことである。うつ病と呼ばれる状態になるという出来事の原因とは、うつ病と呼ばれる…

科学の出来事観と物質観の変遷①

ここ数ヶ月、カワグチ・サチジ・シリーズと題して、二篇*1おとどけ(?)してきた。いずれもクソまずいものだったにちがいないが、それでも、そこで確認したのは非常に大事なことだった。 みなさんが今日のおフロあがりにお召し上がりになろうと、冷蔵庫にと…

なぜ物理学では想定しない原因を生きものについては想定するのか

*原因をさがし求めて第9回 原因さえ先に特定しておけば、解明がちっとも進まなくても、原因部分だけ気にしていればいいことになる。そこさえとり除けばいいと考えて治療もできる(治療法として成立しているかどうかについてはここでは触れない)。がん細胞…